パターン・ランゲージ研究者
▼略歴
慶應義塾大学総合政策学部准教授
1974年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を卒業後、大学院政策・メディア研究科で博士号を取得。博士(政策・メディア)。2009年にはマサチューセッツ工科大学(MIT)スローン経営大学院のCenter for Collective Intelligenceで研究に従事。現在は、慶應義塾大学総合政策学部で研究・教育に従事している。
取り組んでいるのは、創造性を支援するための方法の研究と実践である。ここでいう創造性の支援には、個人の創造性だけでなく、チームや組織、社会の創造性が含まれ、それらをいかに高めることができるのかを、新しいアプローチで実現しようとしている。より具体的に言うと、何かをつくるとき/実践するときの「状況に応じた判断(意思決定)」のセンスを、「パターン・ランゲージ」の形式でまとめ、対話のなかで学び合う仕組みを構築している。
その成果には、創造的な学びのための「ラーニング・パターン」や、創造を誘発する表現のための「プレゼンテーション・パターン」、そして創造的なプロジェクトを実現するための「コラボレーション・パターン」などがある。また最近は、大地震の備えと緊急時の行動のための「サバイバル・ランゲージ」や、認知症とともによりよく生きるための「旅のことば―認知症とともによりよく生きるためのヒント」の制作など、社会的な問題領域における支援にも取り組んでいる。
著書には、『パターン・ランゲージ―創造的な未来をつくるための言語』や『プレゼンテーション・パターン―創造を誘発する表現のヒント』などがあり、後者は2013年度のグッドデザイン賞を受賞している。他にもベストセラー/ロングセラーである『複雑系入門:知のフロンティアへの冒険』や、『社会システム理論:不透明な社会を捉える知の技法』などがある。2012年には、NHK Eテレ「スーパープレゼンテーション」で「アイデアの伝え方」の解説を担当した。
自らデザイン・ワークもこなし、イラスト制作や書籍のレイアウト・デザイン、映像制作なども手がけている。