Archive for the 'NEWS' Category

TEDxKids@Chiyoda 2013 キッズ登壇者インタビュー vol.1

  • Sep 18, 2014, 9:25 pm
  • Author : Yosuke Toyota

仁禮 彩香 / Ayaka Nirei

高校生起業家(略歴

TEDxKids@Chiyoda 2013 での講演の様子(仁禮 彩香)

「可能性は無限大だと実感しました」

 

Q1: 登壇やその準備を通して、自分の知らなかった新たな自分を発見などできましたか?もしくはTEDxKids@Chiyodaに参加しての感想などを教えて下さい。
もちろんです。思いのほかうまくいったことと、思ったより時間がかかったこととがあって、何が得意で何が苦手なのか、見つめ直すことができたと思います。

 

Q2: TEDxKids@Chiyoda で自分の知らなかった人・世界・価値観などを得られましか?
自分の考えやアイディアを様々な方法で発信している先輩方にお会いしてお話を聞けたことは、本当にいい勉強になりました。なにより、活躍している同世代の仲間にであえたことで、すごく心強く頼もしく思えたし、私たちの可能性は無限大なんだということを実感できました。

 

Q3:TEDxKids@Chiyodaの登壇をきっかけに何か新しい変化がありましたか?新しい活動などは始まりましたか?
TEDxKids@Chiyodaに登壇した事で、自分には何ができるのか、何が足りなくてそのためには何をする必要があるのか、自分の中ではっきりしました。その後GLOPATHの会議でアイディアをより具体的に提示できるようになり、PIFを始め、様々なプロジェクトが動き出すようになりました。

 

Q4:現在の活動もしくは今後やっていきたいことなどはありますか?
今GLOPATH が取り組んでいる、震災、教育 に加え、社会が抱えている問題を少しでもいい状態にできるように周りの人々を巻き込んでいきたいです。

 

▼ TEDxKids@Chiyoda 2013 での講演内容

 

(取材後記)

TEDxKids@Chiyodaを通じて同年代の新しい仲間と出会い、自分自身の新たな一面を知るきっかけになったというあやかさんの言葉は力強く、ものすごいスピードで前に進んでいく彼女の姿に刺激をうける人も多いのではないでしょうか。自分の言葉で、自分の信じることを周りを巻き込みながら拡げていく姿にパワーをもらうと共に、これからの活躍が楽しみな一人ですね。

TEDxKids@Chiyoda 2014開催決定

  • Sep 1, 2014, 11:43 pm
  • Tags :
  • Author : Ryuta Aoki

【TEDxKids@Chiyoda 2014開催決定】

2014年11月30日(日) に第4回目となるTEDxKids@Chiyoda 2014を開催いたします!

▶ テーマ
今年のテーマは、「Unknown Colors」
自分の中のColorsと、世界のまだ見ぬColorsと、そこから生まれるColors。
世界には、様々なアイディア・生き方・価値観があります。
でも私たちは、意外と見たいものだけしか、見ていないのではないでしょうか。
一歩踏み出して、周りを見てみると思いもよらない素敵な出会いや気付きが、
いろいろなところにあります。
「Unknown Colors」= 自分の知らない「色」は、未来を創る選択肢です。
TEDxKids@Chiyodaを通して、まだ見ぬ「色」と出会ってほしい。
そんな想いを今年のテーマに込めました。

▶ キッズオーディション
TEDxKids@Chiyoda 2014に登壇するキッズスピーカー・パフォーマーの募集を
9月8日(月)から開始いたします。
今年は、去年の6名からさらに増やし10名のキッズスピーカー・パフォーマー
を見つけたいと思っています!特設サイトを公開する予定です。

▶ 参加者の募集
参加者(一般公開枠)の募集は、10月17日(金) を予定しています。
詳細は、追って公開いたします。

▶ 企業パートナーの募集
今年のTEDxKids@Chiyoda 2014を一緒に作ってくださる企業・団体パートナーを募集しています。
毎年、協賛金から物資・技術提供まで様々な形でご協力くださっています。
ご興味あるご担当者様は、partner@tedxkids.jp までご連絡ください。担当者がご説明に伺います。

▶ 昨年の様子
昨年の様子をダイジェスト動画にまとめました!ぜひご覧ください!!

TEDxKids@Chiyoda 2013 TEDxTalk Session4

  • Mar 31, 2014, 5:52 pm
  • Author : NakamuraGenki

Session4

(1) ZiNEZ「Freestyle Basketball」(12:31)

フリースタイルバスケットボール世界チャンピオン(プロフィール詳細
場所(コート)もプレイヤーも必要としない、バスケットボール1つで可能性と未来を表現するフリースタイルバスケットボーラー、世界チャンピオンのZINEZ(ジンジ)さん。独自のクリエイティビティから創出されたパフォーマンスに、観客はボールに注ぎ込まれた命を感じました。

幼いころは内向的で、人前に立つどころか球技さえも苦手だったと笑顔で語るZINEZ(ジンジ)さん。転機が訪れたのは中学生の頃、カナダでバスケットボールに出会ったことがきっかけだそうです。ボールのお蔭で言葉を覚え、仲間ができ、今では自分が想像したことは、どんなことでも技にできるそうです。

「バスケットボールだからバスケットをしなくてはいけない、そんな概念は捨て、手にしたものが別の何かに使えないか?発展させられないか?を考えてみよう。自分ができると思ったことや、面白いことは誰がなんと言おうと追求しよう!そして、思いついたことはどんどんやって欲しい。」と子どもたちに熱く語りかけてくれました。

常に会場の子どもたちに優しく語りかけ、舞台で共演したりもしてくれるZINEZ(ジンジ)さん。パフォーマンスだけでなく、その人柄にも多くの人が心を打たれたことでしょう。


(2) アレクシー・アンドレ「A Life of Play」(12:20)

インタラクション研究者 / アーティスト(プロフィール詳細
子どもの頃は、「遊び」という言葉が耳に入るだけで、胸が躍り、心が弾んだものです。子どもの成長に役立つ「遊び」とは何か?を研究しているAlexisさん。「遊び」に秘められた役割、未来を創造するヒントを語ってくれました。

Alexisさんによると、「遊び」は、自分で創り出す”能動的”な遊びと、アニメやゲームなど、他人の創った世界を楽しむ”受動的”な遊びの、2つに分けられるそうです。そして、この”能動的”な遊びのプロセスに、少し手を加えることで、新たなアイデアが生まれたり、柔軟にストーリーを変えることができたりする。つまり、この自由な創造の連続は、遊びだけでなく、子どもたちが歩む未来への道を、より素晴らしいものに変える知恵にもなると・・・。

「純粋に遊んだのはいつですか?」の問いに、会場の大人たちの記憶は、一斉にタイムマシーンに乗り込んだことでしょう。そして、幼少期の”能動的”な遊びが、子どものよいより未来の土台になると知った今、子どもの純粋で真剣な「遊び」を誰も止めることはできないはずです。


(3) 塙 佳憲「The power of TORIAEZU」(13:08)

高校生・起業家(プロフィール詳細
人は経験を積めば積むほどリスクを先に考えがちです。失敗を恐れるがゆえに行動に移せなかったり、他人の目を気にして自分を抑えたり…。この固定されやすい概念を笑いとともに解き放つ「とりあえずの力」とは?一度見たら忘れられない『ふんどしスタイル』の謎とともに解き明かされました。

幼い頃は内向的で、一人で考え事をすることが多かったと言う塙君。変化が訪れたのは中学生の時、トイレ掃除を「とりあえず」一人でやってみたことにはじまります。「とりあえず」やってみることで協力者が現れ、周りが動き、行動が変わっていくのを実感したそうです。興味のあった地元の街づくりも「とりあえずの力」で少しずつムーブメントを起こしています。

そして、以前から下着として愛用していた「ふんどし」は、「とりあえずの力」で都内を駆け巡る現代の飛脚へと変化を遂げました。さらにはグラフィックデザイナーとして教壇に立ち、現在は「株式会社飛脚堂」の代表取締役として活躍中です。まさに様々なムーブメントを生み出す『とりあえずの力』。人生が面白くなる最初の一歩であり、新しいことを始めるきっかけ、変わるきっかけ、世界をも変えていく一歩にもなるでしょう。

リスク回避も重要ですが、時には子どもの可能性を制御してしまいます。塙君の「とりあえずは広い世界の入り口」、「とりあえずは最初の一歩」、「とりあえずは誰にでもできる」という言葉は、子どもたちの夢の扉を開け、一歩中に入る勇気となったに違いありません。


(4) 加藤 博人「New learning style by kids for kids」(7:17)

プロフィール詳細
『子どもの可能性を伸ばしたい』親なら誰しもそう思うでしょう。しかし、子どもの可能性にブレーキをかけているのも親(大人)だとしたら…。「子どもの限界を決めないで!」と、中学生の加藤君は子どもを代表して親(大人)たちに訴えます。

子どもだから無理・子どもだからまだ早い・子どもだから危ない、私たち親(大人)は一度や二度そんな言葉を口にしたことがあるのではないでしょうか。「大人の先入観で子どもの能力ややる気を決めないでほしい!」と加藤君の訴えは続きます。そして世の中が、子ども個人ではなく年齢によって縛られていることの多さを気づかせてくれました。

そんな加藤君が年齢制限のない検定試験に挑戦しはじめたのは4歳の頃。子どもも大人と同じ土俵で評価してもらえることに喜びを感じたと言います。ゲーム感覚のように合格をゴールと位置づけ、次々と資格を取得していく加藤君。先日はなんと英検1級に合格したそうです。

家庭では、「あなたが吸収するものに無駄なものは何もない」と、テレビ、マンガ、ゲーム何一つとして規制はないそうです。家庭の軸がぶれず、先入観を持たず、子どもの可能性を心から信頼していれば、子どもはすべての物から学びを得ようとするのかもしれません。

「子どもは親に理解されること、認められることが何よりう嬉しいのです。」という言葉が、世の中に氾濫する育児書からではなく、一人の中学生の口から出たことに、多くの大人たちの心が動いたのは言うまでもありません。


(5) 青木 大和「政治意識を刺激したい」(14:38)

プロフィール詳細
「僕は日本を変えることはできない。」でも「僕らの一歩は日本を変えることができる。」この言葉をモットーに活動している青木君。全国から高校生100名を集め、国会議員との討論会を主催したり、全国を回り、高校生に疑似投票してもらう模擬選挙を行ったりと、これからの日本を担う10代に、政治的意識を刺激する活動を行っています。

「1+1=2」が分からず問題児扱いされていた小学生時代。世界レベルで活躍する同級生がたくさんいる中で自分を模索し続けた中学生時代。そして、自分を変えるべく単身渡米し、政治を学ぶきっかけを作った15歳。彼の活動は、多くの新聞や雑誌、テレビで取り上げられていますが、初めて公開したといういままでの歩みを、子どもたちはどのように受け取ったでしょうか。

悩みや葛藤を成長の糧にしてきた青木君。『戦略・情熱・演説』を駆使し、仲間とともに日本の将来を変えるべく活動しています。「ぼく一人じゃ何もできない」、でも「ぼくらならできるんだ」という言葉に、子どもたちは夢を実現化するヒントを、大人は不透明さを感じる今の世の中に、一本の光を見たことでしょう。


(6) 池田 貴広「Challenges & Failures」(12:04)

BMX世界チャンピオン(プロフィール詳細
今を生きる子どもたちは、夢中になれるものを持っているでしょうか?親の反対を押し切ってまで叶えたい夢や希望、強い意志を持っているでしょうか?BMXと出会い、夢・目標をもち、世界チャンピオンになった池田さん。夢をかなえるために大切なことを実演とともに届けてくれました。

好きだったゲームを売って自転車を購入し、家族の反対を押し切りBMXに没頭し始めたのは14歳の時。目標をもち、夢中になることで、自分だけでなく周囲の心も変えたのでしょう。それまで危険を危惧し、反対していた家族も全面的に協力してくれるようになったそうです。そこから世界チャンピオンに登りつめるまで、彼の果てしなき挑戦は続きます。

「何度失敗しても挑戦を諦めない。なぜなら成功に近づくプロセスが楽しいから!何か目標をもったら、何度でも失敗を繰り返すこと。そして、いつまでに何をどのように実現させるのか、自分の目標を少しだけ具体的にしよう!きっと夢は近づくから…」と子どもたちに成功を手にするための重要なアイデアを語ってくれました。

世界でただ一つ、オリジナルの技「イケスピン」を考案してから完成させるまでの長い道のりは、まさに挑戦と失敗の連続だったそうです。私たちに披露してくれたその技「イケスピン」と華麗なるパフォーマンスは、子どもたちはもちろん、大人たちの心も魅了してくれました。子どもたちに目標をもつことの楽しさ、失敗を恐れない勇気が伝わったとことでしょう。そしてそんな日がきたら全力で応援しよう、サポートしようと大人の心も動かされたに違いありません。



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TEDxKids@Chiyoda 2013 TEDxTalk Session3

  • Mar 31, 2014, 5:52 pm
  • Author : NakamuraGenki

Session3

(1) 谷垣 君龍「My learnings from El Camino de Santiago」(15:35)

プロフィール詳細
上には上がいることを知った中学受験により、自分に限界を決めるようになってしまったと語る谷垣くん。そんな生活を抜け出そうと、15歳の夏、カミーノ巡礼に、一人で旅立ちました。そこで得た大きな気づきとは…。

挫折から始まったという中学生活。それでも楽しく、居心地の良い日常だったと言います。でもここで、わざと居心地の悪い非日常を体験することで、何かが変わるのではないかと、800キロの巡礼道に挑戦します。

共に歩く人たちとは、お互い言葉が通じず、会話も成立しないけれど、心で深くつながりを感じたと言います。そして、ひたすら歩く非日常空間の中で、対話(つながり)の大切さを学んだと…。

自分たちに必要なのは「きっかけ・場の共有・対話(つながり)」だと気づいた谷垣くん。さっそくこのキーワードを基に、学校・大企業を巻き込み、大きなイベント「スパプレ」を企画したそうです。(その後、大成功を収めたと本人より報告を受けました。)

目の前の道からゴールは見えなくとも、どのように歩くかで、ゴールの捉え方は変わってくる、と力強く訴えます。会場の子どもたちも、自分の前に伸びる未来への道、その先にあるゴールは自分次第だという希望を、谷垣くんから得たことでしょう。


(2) 綾屋 沙月「Doing research on myself as a researcher and a person with ASD」(20:42)

発達障害者当事者研究者(プロフィール詳細
幼稚園入園当初から、友だちが遊ぶ様子を見ては『自分は何か違う、ガラスの壁があり、中に入れない』と感じていたという綾屋さん。時にガラスの壁が突然なくなり衝撃を抱くことも。そんな綾屋さんは現在、当事者研究者として自分自身について研究されています。

周囲はまるで水面の反射のようにキラキラしていて美しく、とても羨ましい、でも私は水底にいて届かない…、私はいったい何者なの?他の人と何が違うの?答えの出ない悩みを書き続けたノートは数十冊にもおよぶそうです。

2005年『アスペルガー症候群』『自閉症スペクトラム』の診断を受けたことで、それまで断片化していた記憶が統合され、自分が何者かが少し分かったと言います。しかしそれだけでは社会とのコミュニケーションは解決されず、『当事者研究』に進まれました。

綾屋さんの研究により、『自分が何者か分からない、人との関係においてトラブルを抱えている』という人に水面の反射のようなキラキラした光がさすことを多くの人が願ったことでしょう。


(3) 内藤 朝雄「What you’ll see from bullying」(20:12)

社会学者(プロフィール詳細
人類は進化の中で遺伝子に残虐性を埋め込んできました…と社会学者の内藤さんは話します。私たち人間は群れの中では潜在的に怪物になってしまうこともあるという事実に会場の空気が緊張に包まれました。しかし、「いじめ」を社会学的に観察・分析することで、人類の歴史を優しいものに変えることができるかもしれないとも。そんな明るい未来を私たちは望まずにはいられません。

日本の学校でおこっている「いじめ問題」は、学校が社会から断絶された閉鎖空間にあること、善悪の基準が独自の群れの秩序にるより成り立っていること、これらが社会の秩序に比べ圧倒的に優勢になっていることにあると「いじめ観察」から分かったそうです。この閉鎖的で狭い群れの中で過ごす子どもたちに、私たち親(大人)ができることは何なのか…?内藤さんの言葉にある『人間の尊厳を最高価値とする社会の秩序』を学校と融合させること…そう感じた人も多いのではないでしょうか。


(4) ジュリア・カセム「Design Can Empower」(18:23)

英国王立芸術大学院ヘレンハムリン研究所 シニアリサーチフェロー(プロフィール詳細
2ヶ国、20都市、700人以上のデザイナーが参画するInclusive Design Challenge Workshop ProgramをプロデュースしているJuliaさん。インクルーシブ・デザインは、人を中心に置いたデザインプロセスであり、障がいや年齢など、人それぞれの多様性や相違を理解することが重要であるとを語ってくれました。

キーパッド(タイプライター)やウォシュレット・トイレは、どちらも普段私たちが目にするものですが、元々は障がい者や医療用として作られた物だと、どれだけの人が知っていたでしょうか。ハンディキャップを補うために開発されたものが今、私たちが普通に使っているものとして存在する。つまり、インクルーシブ・デザインは、不可能と思える状況を変革させることができる「tool」であると位置づけられています。

ボスニアやマケドニアで聴覚障がい者の自立支援に従事し、ワークショップを手掛けるJuliaさん。異なる訓練を受けてきた人々の協同プロセスにおいて、デザインはより良くなると確信されています。

普段、便利なものに囲まれているこの社会の中で、「Inclusive(包括的)」とはどういうことか、人々の多様性に着目したデザインから何が生み出されるか…改めて考えた人も多いのではないでしょうか。



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TEDxKids@Chiyoda 2013 TEDxTalk Session2

  • Mar 31, 2014, 5:52 pm
  • Author : NakamuraGenki

Session2

(1) Ryo Fujimoto「Humanelectro」(16:06)

プロフィール詳細
脳から体へと送られる電気信号を受信し、音へと変換させ、一つの芸術を創り出すfujimotoさん。現在はドイツ・ベルリンを拠点にヒューマンビートボクサー、エレクトロニックミュージシャンとして世界で活躍中です。

芸術・音楽の道を追求しようと思ったのは、アカペラ音楽と出会った14歳の時。当時傷ついていた心を癒してくれた音楽に今、恩返しをしているのかもしれませんと語ります。

芸術と音楽の役割は世界をよりよくするため、人々に違うアンテナをはってもらうためと語るFujimotoさん。彼の創り出す音と映像の芸術は、会場を未知の世界へと誘導し、私たちの五感に大きな刺激だけでなく、新たな世界観を与えてくれました。

大人が芸術に感銘を受けなければ子どもたちは様々なアンテナを張ろうとしない。つまり、子どもの未来は大人次第であるということ、子どもを守ることはつまり未来を守るということ、Fujimotoさんのダイレクトなメッセージは多くの大人の心に刻まれたことでしょう。


(2) 山内 奏人「New learning style by kids for kids」(6:40)

プロフィール詳細
パソコンとの出会いは6歳の時、古いパソコンを受け継ぎいだことに始まります。8歳で作ったというストップモーションアニメに、会場からは拍手喝さいが湧き起りました。小学6年生の時に、「中高生Rubiyプログラミングコンテスト」で最優秀賞を獲得したと山内君ですが、中学生となった今、新しい学びのスタイルを提案します。

先日行われた学園祭で大成功を収めたという、子どもの、子どもによる、子どものためのプログラミングワークショップ、その名も『IT is IT』。「プログラマーとして何かできることはないか」との自問に答える形で生まれたそうです。

「子どもが、自分のスキルを同年代の子どもに教える」という新しい学びの形は、プログラミングに関わらず、どんな分野にでも当てはまります。先生でもない親でもない同年代の子どもが教えることで、教わる子どもたちはもより興味をもち、楽しく学ぶことができるのではないかと感じているそうです。

それでも夢の実現には、先生・親・大人のサポートがどうしても必要だと訴える山内君。自分たちの道を自分たちの手で切り開こうとする姿は頼もしく、無限大の可能性を感じさせてくれました。きっと多くの大人たちが手を差し伸べたいと思ったことでしょう。


(3) 井上 大介「Dive into the Cybersecurity」(14:15)

セキュリティ研究者(プロフィール詳細
IPアドレスやネットワークは実際に存在するものの、どうしても架空のものとして捉えがちです。それゆえに「守る」ということもなおざりにしがちなのかもしれません。そんな私たちに井上さんが紹介するのは、まるでSF映画のようなサイバー攻撃の様子、私たちは今まさに身近で起きているその脅威を目の当たりにすることができたのです。
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インターネットへのアクセスが日に日に透過的になり、常に外部からの攻撃やウィルス感染の危機に直面している中で、井上さんはPCを、企業を、国を守るべく、セキュリティ研究の最前線で研究・開発をされています。

井上さんの『69284回/年』の意味の問いかけにどれだけの人が正解を持ち合わせていたでしょうか。自分のパソコン(IPアドレス)が1年間でこれほどの攻撃を受けているという事実に、会場は大きなどよめきに包まれました。

そして私たちが次に疑問に思うであろう「その攻撃はいつ?どこから?何のために?」の問いを、サイバー攻撃をリアルタイムに可視化するシステム「NICTER」、「DAEDALUS」、「NIRVANA改」が解明してくれます。このシステムを使い、あらゆる国・地域から襲いかかるサイバー攻撃を観測・分析し、危険値の高い企業や個人にアラートを出されているのだそうです。

幼い頃は大好きなコンピューターゲームばかりしていたという井上さん。幼い頃夢中になったことは人生において何一つ無駄になることはない、そう感じ取った人も多いはずです。井上さんの「未来のインターネットを守るのは、未来の君たちだと思っています。」の言葉に、未来を担う子どもたち、支える大人たちは心に大きなアタックを受けたことでしょう。


(4) 南 善成「In Search of Advanced Space Propulsion Rocket」(12:36)

人工衛星開発者 / NASA BPP メンバー / 英国惑星間協会フェロー(プロフィール詳細
未知なる夢への挑戦として、新型宇宙推進ロケットへの探求を進める南さん。小学生の頃には、宇宙への夢を持ち、将来は火星に行きたいと願っていたそうです。自分が大人になる頃には人間が足を踏み入れていることを信じて…。

日本からもロケットを打ち上げたり、宇宙ステーションで活躍する日本人もいるこの現在において、なぜ人類は未だ火星に行くことができないのか…。

火星が太陽の周りを回るスピード、そして、地球から打ち上げられるロケットの速度との関係は、現在のところ亀(ロケット)がウサギ(火星)を追いかけるようなものだと南さんは子どもたちにも分かるように説明してくれました。火星の軌道を緻密に計算したり、ロケットの速度を上げたり、他の術を探したり、果てなき宇宙への挑戦は続きます。

「昨日の夢は、今日の希望であり、明日の現実である。」
世界で初めて液体ロケットを完成させたロバート・H・ゴダードの言葉を、これから夢に向かってチャレンジしていく子どもたちに南さんは残してくれました。子どもたちが大人になる頃には、火星がもっと近い存在になっていることを信じて…。


(5) 佐々木 浩「Our Future Seen Through the Parts of Life」(12:34)

生物学者(プロフィール詳細
普段、どれだけのヒトが自分たちは「生き物」だと常に感じながら生きているでしょうか?どれだけのヒトが自分たちのカラダをつくる細胞を常に感じながら過ごしているでしょうか?生物学者の佐々木さんが、美しき「生き物」をより身近に感じる神秘の世界へと案内してくれました。
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「お腹がすくのは僕たちが生き物だからだよ」。あまりに当然で、当然だからこそ遠くに感じてしまいがちのことを私たちはまず身近に感じ取りました。そして、「人間はこの世界で最も不思議で複雑で美しいものではないかと感じています」との言葉に多くの観客が自身の内に意識を向けました。普段、意識することなくカラダを動かし、疲れたら休ませる…そんな当たり前のことすべてが不思議と言う言葉でつながっていきました。

「生き物って何?」という謎を解き明かすため、研究を続ける佐々木さん。いつになったら生き物のことが分かったと言えるの?そんな深い問いに日々立ち向かっています。自分たちのカラダをつくる細胞(部品)を一つ一つ調べること、その積み重ねによって仕組みが分かったり、謎を解き明かしたり、病気を治したりすることが可能になっていく…その可能性に大きな希望を私たちも抱きました。

裸眼では確認できなくとも確実に存在し、私たちを作り出しているもの…おのずと不思議が溢れ出てきます。学生時代に戻ってもう一度「生物」を学び直したい!そう思った方も多いのではないでしょうか?「分かる=つくる」というメッセージを残し、佐々木さんが子どもたちに託す「未来」とは…「生き物の謎」を不思議に思う子どもの心にあるようです。



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TEDxKids@Chiyoda 2013 TEDxTalk Session1

  • Mar 31, 2014, 5:52 pm
  • Author : NakamuraGenki

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(1) ジェシカ「5 Lessons I Learned As a Dancer」(7:23)

ダンサー(プロフィール詳細
将来の夢を持つのは早ければ早いほどいい?そんなことは決してない!
jessicaさんが身をもって教えてくれました。ダンスに出会ったのは17歳、21歳で運命の出会いがあり、1か月後には渡米していたそうです。生きる強さ、夢を諦めない、パワフルでエネルギッシュなダンスに会場全体が感動に包まれました。

Jessicaさんがアメリカで学んだ5つのこと。その中で最も好き言葉が『LIFE IS GOOD』だそうです。良い悪いではなく素晴らしいと捉えること。大人はすぐにジャッジしがちですが、どんなことにも「素晴らしい」と捉えらえることで人生がもっと光に満ちたものに変わりそうですね。そしてJessicaさんの家族のように「人生は一度きり。やりたいことを後悔しないようにしなさい。」と子どもの夢を応援できる親でありたいと多くの大人が感じたことでしょう。


(2) 竹村 真一「Tangible earth」(21:39)

文化人類学者(プロフィール詳細
世界で初めてインタラクティブなデジタル地球儀を開発した竹村さん。21世紀に生まれながらにして、未だメルカトル図法の地図で学んでいる子どもたちのために、21世紀の地図、『触れる地球』を披露してくれました。

『触れる地球』で分かること…それは、リアルタイムでの気象情報だけでなく、海流や海面温度はもちろんのこと、くじらや渡り鳥などの動物の動き、都市の大きさ…etc. 私たちは、まるで自分たちが地球から離れた地点から、地球を俯瞰するかのように確認することができました。

人類は進歩し過ぎて地球に迷惑をかけていると言われていますが、未熟すぎるがゆえに負担をかけているのだと竹村さんは言います。人類はこれから成長期を迎え、地球のことをよりよくする可能性を持っていると…。この言葉にどれだけの人が未来に希望を抱いたことでしょうか。

自分たちの狭い範囲だけでなく「地球規模」で、平面ではなく「球」としてモニターできる『触れる地球』。誰もが、一日も早くすべての学校に届く日を願ったことでしょう。


(3) 船橋 真俊「Synecoculture」(17:32)

エコシステム・エージェント(プロフィール詳細
自然や動植物が、複雑に絡み合う自然のしくみ、「生態系」のバランスを元に戻すために、「協生農法」を研究している船橋さん。自然の、人間の、地球の「命」を守るために、人間だからこそできる取り組み(責任)を紹介してくれました。

人は、必要以上に自然を破壊しながら農地を開拓し、食料を得て「命」を守っていますが、その結果、地球の「命」を縮めています。これは、大人なら想像に難くないことでしょう。

避けようのない『生殺与奪』を間違った方向に進めてしまえば、自然だけでなく、人間、地球の命をも奪ってしまうと船橋さんは警告します。そして、自然を破壊せず、生き物たちだけの力で農作物を育てる『協生農法』により、生態系のバランスを積み上げ、自然、人間、地球を救えると…。

今の営利目的だけの農業を変えていくことで、縮めてしまった地球の命を少しでも伸ばすことができるなら…。『殺して、食べて、生かせてもらっている』という事実を今一度、胸に留めながら、自分たちにできることを考えていきたいと多くの人が感じたのではないでしょうか。


(4) 青山 雄二「NEWSED = NEW + USED」(10:13)

NEWSED PROJECT プロデューサー(プロフィール詳細
世の中のゴミを『捨てるもの』としてではなく『素材』として捉え、新しい価値を与えることができたなら、世の中からゴミという考え方がなくなるかもしれない。そんな美しい未来を青山さんは私たちに提案してくれました。

私たちが排出している一般家庭ごみは何と1年間で5000万トン。上野動物園のゾウ5000万頭分だそうです。さらに企業などが出す産業廃棄物は8倍の4億トン、誰しもが深刻な環境問題だと感じることができるでしょう。

青山さんはゴミを『素材』として捉え、新たな視点で別の物として蘇らせる活動をされています。ゴミのもつ特徴を最大限に活かし、新たな商品として世の中に送り出す『アップサイクル』。私たち一人一人がゴミを出さない努力はもちろんのこと、ひとつひとつのゴミの素材を意識し、次なる命を吹き込むために今日からできること…多くの人が考えたに違いありません。


(5) 仁禮 彩香「A game to create a world without war」(11:53)

プロフィール詳細
「大切に思っていることは何ですか?」この答えが国や人によって千差万別であることは明白です。しかし、私たちはその価値観の違いを認め、分かり合おうとしているでしょうか。そこに未来の世界を変える大きなヒントを見つけ、独自のアイデアを披露してくれたのが仁禮さんです。

大富豪になることで勝者が決まる『人生ゲーム』。これはお金に価値観をもっているがゆえのボードゲーム(双六)と言ってよいでしょう。では、他の価値観をもった人や国が、独自の価値観を基に『人生ゲーム』を作り、子どもたちが遊ぶようになればどうなるでしょう。自然とその国の価値観を知り、認め、時には助けようと手を伸ばしたりするのではないでしょうか…と仁禮さんは訴えます。

すでに11カ国にまたがる友人の協力を得て、各国々の価値観を調べ、独自の『人生ゲーム』の製作にあたっている仁禮さん。世界から戦争をなくすための挑戦は続きます。



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